健康経営ゲーム研修報告 #2(健康経営ゲーム)

富山の総合広告代理店、株式会社ミューテーション様と協力スタッフ様向けに、健康チェックカード健康経営ゲームを使った研修は後半に進みます。

前半で個人の健康状態について、「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」にて楽しく気づき、チームビィルディングとしても、チームの仲がさらにまとまったのですが、後半戦の「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」での様子を、前回の記事、健康経営ゲーム研修報告 #2(健康チェックカード)と同様に参加者の方の、生の感想とともに紹介していきたいと思います。

 

ビジネスゲーム:健康経営ゲーム

健康経営ゲームの仕組みは現実の世界の企業活動に沿って考えられています。

参加者全体がひとつの「会社」となり、

その中で「会社のゴール」=ゲーム終了時にキャッシュを1億円に増やすという目標達成と、

参加者が各役職(今回は8人で8役職)になりきり、役職カードによって示された「個人ゴール」の達成に向かって活動します。

活動の中心となるのは「プロジェクト」。「資金」と「精神」「体力」を使い、企業活動に関する業績を上げたり福利厚生を充実するようなプロジェクトを実施していきます。

プロジェクトを成功すると新たに資金や精神、体力のカードを獲得でき、刻々と状況は変化していきます。

会社のゴールと各個人・役職のゴールが存在するため、それぞれの思惑や考え方が現れるところにゲームの面白さと難しさがあります。

 

健康経営スタート!

ゲームの説明が終わってから、ゲームスタート!

ゲームのルールが理解できた方、まだいまいち良く理解できていない方、それぞれの思いがある中で、全体としてゲームの全体像を参加者全員で理解しようとするコミュニケーションが早速行われました。

これはまさしく、「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」の優れた点の1つである、必ずコミュニケーションをしないといけない設定になっていると言った側面が早速現れた場面でした。一般の座学やワークショップでは、参加者が発言しなくても研修やセミナーが進んでいくことがしばしばありますが、「学習」といった観点で捉えると必ず参加者自身の「アウトプット」が必要となります。

「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」もゲームとついてはいますが、研修です。研修の目的は、研修に参加してその研修から学び、その学びを実践するということです。そのためにも、必ず参加者自身が発言し、自分の意見を述べることが重要なのです。その発言する大切さが早速出た場面でした。

 

最初に動いたのは、社員の役割の方がプロジェクトを実行しにファシリテータの元へ。

「考えていても仕方がない!先ずは動かないと!」

と意気込んでプロジェクトを実行しにきました。

しかし、いくらゲームだからといってプロジェクトを実行してすんなり成功するということではありません。当たり前ですが、現実世界ではすんなりとプロジェクトや仕事、商談が成功するとは限りません。同様に健康経営ゲームでも『成否判定カード』を使ってプロジェクトの成否を決定します。

結果は…

失敗!

体力が足りず失敗となってしまいました。せっかくお金をかけて実行したプロジェクトでしたが、何も得られず失敗に終わってしまいました。会場には「あ〜。」といった雰囲気に包まれたのと同時に、「あー。こうやってゲームを進めていくんだね。」「ということは、次やるときはどうしたらいいのかな。」などといったコミュニケーションと体験が生まれていました。

これ以降も次々とプロジェクトを実施されていきます。

成功したり失敗したり。

それぞれの役割のゴールを達成しようと一生懸命にプロジェクトに取り組んでいきます。成功・失敗を経験しながらゲームは進んでいき、自分の席を立って会場を動き回りながら研修に参加されていきます。これが一般的な座学にはない、ビジネスゲームの楽しいといった側面です。

 

中間発表

あっという間に中間発表の時間となりました。ここで、全体と個人の目標達成についてそれぞれ発表してもらいます。

結果は…

全体ゴールの売り上げは開始時よりも若干上がっていますが、全ての個人目標で目標は達成されていない状態。つまり不健康経営を推進している状況でした。ここで、ゲーム後半の行動タイムに向けて参加者全員で経営方針を考えていただきます。

前半の行動タイムを振り返り、改善する項目はないか、参加者自身が考える。つまりPDCAサイクルが回り始めてた瞬間です。

 

後半の行動タイムスタート

中間発表で参加者みなさんで共有した内容を基に、後半の行動タイムが始まりました。

社長の役割の方が、社員の方に指示を出し、プロジェクトを実行していきます。前半戦はあまり見られなかった、社長の役割を演じて会社経営を模擬体験している場面でした。

「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」は、それぞれの役割を、実際の役割とは別役職を担当することにより、それぞれの役割を模擬体験することができます。今回は、営業担当の社員の方が社長の役割となり、社長は人事の役割を演じ研修に取り組んでいただきました。その結果、それぞれがその立場のリーダーシップを発揮し、その役職の立場を模擬体験できました。

ゲームが進行していくにつれて、みなさんの顔に笑顔と物事を考える際の真剣な表情の2つの表情が現れてきました。

そのような状況の中、実はこの日、実際の研修内容を動画で残したいと考え、ミューテーション様にもご協力いただき、動画撮影も実施させていただいておりました。

その撮影をされていた撮影クルーの監督さんが、ボソッと「楽しそう…ちょっとやりたいかも」とおしゃってくれたことに運営側の私もとても嬉しい思いをしました。

一般的な座学ではよく経験する、途中で眠くなってしまうといった体験を、「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」ではまず経験しません。それどころか、参加者として参加していない方でも、その楽しさに引き込まれるといったことが起こります。

それにはいくつか理由があります。

1つは、ゲームの持つ「楽しさ」。参加者の方が楽しいといった経験をされているので、会場全体が笑いと温かな空気に包まれるのです。もう1つは、参加者の方の性格がゲームに現れること。ゲームの持つ楽しさによって「夢中」が生まれ、現実社会での出ている個人の性格が、ゲームの中にも現れます。それを周りから把握するだけでもとても楽しいものとなります。

この後半戦で私が感じた2点、「役割を演じること」と「周りから見ること」は、管理者研修などでも利用できる側面です。役職を演じることにより、その役職を模擬体験でき、その役職の思いに心を寄せることができる、夢中になることにより個人の性格が表れやすいことで、良い点や改善点を客観的に把握できるのです。

 

ビジネスゲーム:健康経営ゲームに取り組んで

そうしている間に、健康経営ゲームの行動タイムが終了しました。

結果は売上が「1億300万円」で全体のゴールは達成!

しかし、個人のゴールの達成状況は8役職中4名と50%でした。会社の業績は上がっているが、活き活きと元気に働けている人は半分、その他半分の人はモヤモヤした状況で働いているといった現状となりました。

「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」に取り組んだ後には、「work seat」を利用しながら振り返りを行います。

今回は、いただいた「生の感想」をご紹介したいと思います。

 

Q. 健康経営ゲームに取り組んで感じたことは何ですか?自由に感じたことを述べてください。

楽しかった。もっと目標を達成したかった。…30代女性

体力、精神のバランスが大事。お金と実績があれば何事も挑戦できる。…20代女性

全体の目標と個人の目標を同時に達成させるのは難しいが、困難であるからこそ、みんなで考えて案を出し合って実行してくことが楽しかったです。…20代女性

ゲームが進行していくにつれて真剣さが増した。周りを見ることの能力が上がった気がした。…30代男性

奥が深い。実際に社員が体力と精神をロスしていることを視覚化できた。…30代男性

ゴールを達成するには難しいと感じた。自分の性格やゲームでの役割などに大きく影響されたと感じた。…20代男性

全体を見渡す能力が必要だと感じた。…30代男性

 

みなさん、それぞれに気づきと学びがあったことがわかります。特に、「お金と実績があれば何事も挑戦できる。」といった20代女性の感想は、成功体験として私自身も良い気づきがあった振り返りでした。

「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」は、健康についてのリテラシーを高めることが第一の目的ではありますが、現実世界同様のビジネスを体験できる研修=ビジネスゲームであるため、ビジネスゲーム本来の目的である模擬体験から成功・失敗体験を得ることができます。

今回の振り返りは、彼女にとって良い意味でのビジネスにおける成功体験となったのだと感じました。また、私の気づきとして今回の役職の割り振りはさほどご要望がなかったので、ある程度こちらで設定させていただきましたが、彼女が担当していた役割を演じることで、自身がつきやすい設定であることにもこちらとして気づかされました。チームビィルディング研修や管理者研修において、少し心配なスタッフにその役職を体験していただくことで、自然と自信が身につく設えとなっているのです。

 

もう少し質問は続きます。

 

Q. 今回の結果になった理由は何ですか?またどうすればより良い結果に繋がりましたか?

各自の個人目標を軸にして、もっとコミュニケーションをとるべきだった。…30代男性

ゲーム開始からスピード感を持って統一性のある組織を作ればよかった。…30代男性

全員の体力と精神バランスをよく満たすように周りを見るべきだった。…20代女性

もっと周囲を見て動けばよかった。…30代女性

ルールをいち早く理解し、方向性を話し合い進める必要があった。個人の目標も達成しないといけないので意見を一人一人言えるような配慮が必要だった。…20代男性

チームとしてコミュニケーションや意見交換を行うことが大事。…30代男性

 

ここでは、やはり全体としてコミュニケーションが重要であるといった振り返りが上がってきました。普段当たり前に取れていると思っているコミュニケーション。その前提にあるのは、会社全体の目標だけでコミュニケーションが行われていることが多いということです。

人は会社のためだけに働いているだけではなく、自分のため、家族のため、社会のため、それぞれの人によってそのバランスは異なりますが、人それぞれに目標があり働いているのです。そのことに気づいた時、コミュニケーションはさらに深いものとなり、温かさが生まれます。相手を気遣う、自分を表現する、リーダーシップを発揮するといった、より良い組織に近づいていくのです。

今回の研修後にも、「うちにはこんなところが足りないな」「こんなところは大丈夫だったな」「これは取り組めそうだな」といった感想をいただき、ミューテーション様にとって、現時点での健康経営に対する強みと弱みを把握できた研修となったと実感することができました。

 

今回の「ビジネスゲーム:健康チェックカード」、「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」使った健康経営研修を通して、株式会社ミューテーション様の健康経営が始まり、会社の更なる発展とスタッフの方の健康が守られ、目標が達成できることを心よりお祈りいたします。