地域共生社会の理解を
深める

地域共生社会の理解

福祉課題の自分ごと化

使命感の醸成

『地域共生社会』体感ゲームとは

地域共生社会とは、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が我が事として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会をいいます。

素晴らしい概念ですが、実際にどういう社会のことを指すのか。実現のために、地域の住民や多様な主体が我が事として参画するとはどういうことか。わが地域でどの程度実現されているか、といったことに関して十分イメージ出来ている方はまだ少ないのではないでしょうか。

『地域共生社会』体感ゲームは、特定非営利活動法人issue+designと株式会社プロジェクトデザインが慶應義塾大学健康マネジメント研究科の協力のもと開発した体験型の研修です。

本研修では、様々な目的をもった多様な住民が、架空の地域を題材に、誰も取り残されず、健康でイキイキとした暮らしを営むことを目指して頂きます。しかし、流れる時間の中で、様々な疾病や障害に直面し、状況によっては相談できず苦しい思いを抱えてしまうことも起こりえます。

架空のまちでの疑似体験を通じ、自分たちの地域で既に出来ていること/出来ていないことは何か。ひとりひとりが考え、地域共生社会の概念を理解し、行動変容を起こすための研修です。

『地域共生社会』体感ゲームの効果

1. 地域共生社会の理解を深める

地域共生社会という概念を聞くだけで理解し、自分で捉えることはなかなか難しいと感じます。地域の暮らしや福祉といった大きな課題に対して、自分という存在はひどく小さく、無力で、自分ではない他の誰かが解決すべき問題と考えがちです。

しかし、地域の暮らしを良くし、生きがいをもって働く人を増やすには、行政だけでも、医療・介護・福祉の事業者だけでも難しく、地域の住民である私達ひとりひとりが理解を含め、自分ごととして、取り組みをはじめる必要があります。本ゲームを実施することによって、地域共生社会という概念を深く理解し、一歩踏み出す準備が整います。

2. 異なる立場に立つことで、対話と協働を促す

行政や医療・介護・福祉といった仕事についていない人からみると、それらの人が考え悩んでいることは見えにくいものです。同様に、障害や貧困、疾病といった状況に陥っていない人からみると、それらの人の喜びや苦しみは見えにくくもあります。

自分とは異なる人の立場や考えを理解することで、はじめてよりよい話し合いや取り組みが見えてきます。

3. 出来ていること/出来ていないことを理解する

地域共生社会には「ひとりひとりが当事者である」という考え方があります。今、自分は元気であっても、いつ一人では生きていけない、生きにくい状況になるとも限りません。ひとりひとりが当事者であるという自覚を持ち、それを周囲の「地域」や「医療・介護・福祉の事業者」「行政」が支えるといった構造を地域に作り出すことができます。

現在、自分たちの地域が出来ていることはどこか、出来ていないことは何なのか。地域住民の当事者としての意識を喚起することは出来ているか、他人事になっていないか。そういう自分たちの地域の現状を理解し、改善のための一歩を踏み出すために活用することができます。

ゲーム体験者の声

“共生(共助、誰かに声をかけてもらい助けてもらうことの嬉しさ)の素晴らしさに気付くことができた”

“個人が主体となるゲームだったので、自身の人生と重ねることができるプログラムだと思った。人生での運・努力・自己肯定感のことなどを考えさせられた”

“ある意味で一番リアルなカードゲームだった。とても現実感がありました”

“障がい者雇用の会社で働いているからこそ、もっと勉強したい、特に変化に敏感でありたいと思うきっかけになった”

“日常で介護が必要な人との接点が少なかったが、ゲーム体験を通じて、疑似体験できました”

 

“障害や貧困の当事者としての見方や想いに気付くきっかけになった。また、周囲が見えている「その人」と当事者である「その人」には違いがあるので、そこに気付こうとする日々の姿勢が大切であることを学んだ”

“地域共生社会がどんな社会なのかについての体験をすることができた。自分の持っているリソースだけでなく、他の人のリソースとニーズを結び付けられるようにしたい”

“一人一人の人生、ライフイベント、なかなか人には言えないことがオープンにみんなで体験できるのがよい”

“様々な人と共生していくために何が大事なのかを学ぶことができた”

『地域共生社会』体感ゲームの提供形態

研修講師派遣

弊社から『地域共生社会』体感ゲームの研修講師を派遣します。事前にご担当者さまと打ち合わせを行い、御社の内情やこれからの展望に合わせて研修資料を調整していきます。

人数

10~40人(講師一人当たり。それ以上で実施の場合はアシスタントが必要になります)
人数が50名以上となる場合は複数人の講師で対応させていただきます。その場合でも、全員が一つの会場内でゲームを体験できます。

時 間

3~4時間(振り返り含む)

金 額

20万円~

『地域共生社会』体感ゲームを活用した研修の流れ

1

日本の現状に関しての
簡単な説明

研修講師から、今の日本が抱える医療・福祉・介護や行政が抱える課題についてデータも用いながら簡単にレクチャーをさせていただきます。現状を認識することで、地域共生社会の実現は取り組んでいかなければいけない現実の課題ということを認識します。

2

ゲームのルール説明

『地域共生社会』体感ゲームでは「実際の地域を模した架空の環境で、地域共生社会の実現に取り組んでもらう」ために、ゲームのシチュエーションやルールについて説明させて頂きます。

3

『地域共生社会』
体感ゲームの実施

難しい理屈は脇に置いてゲームを楽しんで頂きます。ゲーム中はその人の人柄が自然と出てきます。事業者や行政、市民といった立場に対する考え方や、様々な問題を抱えた当事者への向き合い方など、自他の今まで知らなかった一面を見ることができます。時間の経過とともにトラブル等も発生し、「ひとりひとりが当事者である」という感覚を掴んで頂くことが可能です。

4

振り返り

研修講師からの問いかけに答えることでゲームのプレイを振り返ります。参加者は「地域共生社会の実現に向けて自分が取り組めること」に気づくとともに、今まで無意識・無自覚に行動していた、地域や困難を抱えた方々への向き合い方を見直すきっかけを掴みます。

SUDACHIの研修実績(一部ご紹介)

韓国大阪青年会議所/キュアコード株式会社/医療介護連携推進会議/株式会社笑農和/富山県/WINフロンティア株式会社/北陸銀行/富山商工会議所青年部/多摩商工会議所/株式会社スギノマシン/すかいらーくグループ労働組合連合会/和楽グループ/株式会社島田商店/株式会社福井銀行/古河電工健康保険組合/福井銀行職員組合
※敬称略

開発者の思い

いま、日本では世界でもまれに見るスピードで少子高齢化が進んでいると言われています。

少しだけ、未来の日本の姿を一緒に想像してみたいと思います。

  • 20年後には日本の人口が1000万人減少し、1.1億人になると言われている一方で、65歳以上人口は4000万人弱となり、3人に1人が高齢者。という社会を迎えます。
  • その高齢化社会を支える社会保障費は現在130兆円と言われていますが、20年後には1.5倍の190兆円に達すると試算されています。
  • 認知症の人数は現在でも630万人と言われ、全国の小学生の数より多くなっていますが、20年後には1,000万人近くに達し、認知症は今よりもはるかに身近なものになっています。

このような未来が身近に迫っていますが、「危機感は感じるけれども、どうにもできない」と無力感を感じていたり、不都合な事実を見ないようにしている人も、私達の中には少なからずいるのではないかと感じています。

この不都合な事実は、私達日本に住まう一人ひとりが人任せにせずに考えていかなければいけないイシューです。医療・介護・福祉関係者にはもちろんのこと、未来のそして現在の当事者である皆さんに一人でも多くご参加頂き、これからの地域共生を一緒に考えていければと思います。