健康と予防医学

スタッフの西野です。

皆さんは、繰り返してしまった怪我や病気はありますか?

私の場合は、野球をやっているのもあり、野球特有の野球肩に悩まされています。野球をやっている人がすべて野球肩になる訳ではありませんが、私には野球肩を引き起こす要素、問題点がいくつかあるようです。一番の問題点は身体の柔軟性の低下です。本当に昔から身体が硬くて、怪我も多かったです。今は少しでも肩の痛みが軽減するように日頃からストレッチやランニングなどを行い、試合前の準備運動も周りの若い子に比べて倍以上の時間をかけてやっています。怪我をしないように、いつまでも好きな野球ができるように、できる範囲で『予防』をしている訳です。

皆さんが健康な生活を送る上でも、この『予防』ということを意識していく必要があるかと思います。

人がそれぞれどんな病気になるかは、厳密に言えば予知することはできませんが、生活習慣の乱れは、生活習慣病を引き起こす可能性を高めます。つまり日々の暮らし方に気をつけて健康をコツコツと育むことが、将来の病気の予防に繋がっていきます。

健康を考える上で予防していくことは大事だと述べてきましたが、このような考えは『予防医学』から来ています。

 

予防医学とは

予防医学とは、「病気になったら治す」という治療医学に対して、「病気や病気になる以前の未病の状態を予防する」という考え方です。さらに、病気を予防するだけでなく、病気の進行を抑えたり、再発を防止することも予防医学の一環と考えられています。時代は今、「治療」から「予防」へと変わってきています。

 

また予防医学は以下のように分類されています。

第1次予防  疾病の予防。健康への啓発、健康増進

第2次予防  重症化の防止。疾病の早期発見と早期措置、適切な医療と合併症対策など

第3次予防 疾病の再発防止。リハビリテーション

 

一次予防とは、いわゆる健康な時期に、栄養・運動・休養など生活習慣の改善、生活環境の改善、健康教育等による健康増進を図り、さらに予防接種による疾病の発生予防と事故防止による傷害の発生防止をすることです。

二次予防は、不幸にして発生した疾病や傷害を検診等によって早期に発見し、さらに早期に治療や保健指導などの対策を行い、疾病や傷害の重症化を防ぐ対策のことです。

三次予防とは、治療の過程において保健指導やリハビリテーション等による機能回復を図るなど、QOL(Quality of Life:生活の質)に配慮することによって再発防止対策や社会復帰対策を講じることです。

一次予防は病気になる前、二次予防・三次予防は病気になってからの段階の「予防」を指しています。

今の日本においても、予防医学の考えや役割は欠かすことができないものです。

 

健康と予防医学

高齢化社会に突入した日本では、高齢者の増加に伴い、医療費による財政赤字の問題があります。そして、平均寿命も延びてきていますが、日本の場合、健康寿命と平均寿命の差が大きく、人生の最後のおおよそ10年間ほどは介護が必要な状態になっていることは、以前の記事でも述べたかと思います。

このような社会問題に対して、私達はどう向き合っていく必要があるのでしょうか?

個人としても、健康や生活習慣を見直す必要があります。そして、会社としても社員一人一人の健康や働き方を見直していく必要もあります。メンタルヘルスという点では、企業において従業員に対する「ストレスチェック」が義務化されてきています。またメンタルヘルス関連する講習やセミナーは数多く実施されるようになってきました。

私はもっと、多くの人が、病気になる前に健康について考えるきっかけを作っていき、予防への意識や知識を高めていっていけたらと考えています。ただ、そのきっかけはまだまだ個人としても不十分であると実感しています。

健康や予防医学に対する考えや知識が増え、生活で実践していけるように、社会や皆様へ何かお手伝いできればと日々考えて、行動し、努力していきたいと思います。

 

 

ライター:西野大助

富山医療福祉専門学校理学療法士学科卒業

【理学療法士】

リハビリ専門職である理学療法士国家資格取得後、約10年富山県内の総合病院で急性期医療から回復期医療、在宅医療のリハビリに従事。その後SUDACHIに入社。パーソナル事業部の責任者を務め、主にパーソナルトレーニングや集団でのパフォーマンス指導や姿勢指導、傷病予防などの分野を担当している。また、病院在籍中から現在にかけてスポーツ分野での障害予防などにも積極的に取り組んでいる。