前回の記事では、「健康企業宣言しました!」と題して、平成29年6月1日に発足された、協会けんぽ富山支部、健康保険組合連合会富山連合会(県内に所在地を有する健康保険組合)、および富山県で構成する健康企業宣言富山推進協議会が実施している、「とやま健康企業宣言」事業のStep1に弊社も宣言した内容をご紹介しました。
今回はそのとやま健康企業宣言Step1の中に記載されている、「健康つくりのための職場環境」について考えてみたいと思います。
健康つくりのための職場環境
健康つくりのための職場環境についてのチェック項目は、5つ用意されていました。
1.職場の健康づくりの担当者を決めていますか?
2.従業員が健康づくりについて話し合える場はありますか?
3.健康測定機器等を設置していますか?
4.職場の健康課題を考えたり問題の整理を行っていますか?
5.健康づくりの目標・計画を立て、実践していますか?
どれもが大事な事であるのですが、これを大きく分けると1~3が職場環境そのものについて、4と5が健康管理のためのPDCAサイクルにあたる部分であるとも読み取れます。
健康づくりの担当者と責任者
健康管理のためのPDCAサイクルについては次回に詳しく記載するとして、職場環境について詳細を考えてみたいと思います。
先ず、健康づくりの担当者を決めているかについては非常に大切な観点です。どんな事業にも共通することではありますが、誰かがリーダーシップを発揮し、率先して職場の健康課題について取り組む必要があると弊社は考えます。
これは以前の記事でも紹介した健康管理最高責任者(CHO)を選任することと繋がりますが、全ての事業の源泉は社員一人ひとりの健康であるといった観点が必要であり、率先して健康管理を行うリーダーの存在が不可欠です。とくに健康というと、「運動をしないといけない」「食事制限をしなければならない」などといった個人の我慢や節制などに左右されがちな観点を含んでいるので、個人で管理するには限界があります。そこで、健康管理に関する責任者と担当者(担当部署)を決めて、社内に「健康管理を実施するぞ!」といったまさしく宣言をすることが必要です。
健康づくりの話し合いの場
次に健康づくりについて話し合える場があるか?について、リーフレットではミーティング等にて健康についての体験談を共有すると記載されていますが、これはなかなか難しい一面を持っていると思います。何故かというと、健康についての悩みは人それぞれ違っており、健康を保つといった大きな目的は共通していますが、課題はそれぞれ違っているからです。体重をコントロールしたい人もいれば、体重よりも運動不足を解消したい人もいる。このような、課題が異なる場の会議やミーティングではアイデアの発見には繋がりますが、大きな目的である健康を保つためのミーティングには発展しないもしくは継続できないといった問題点があります。
この問題を解決するには、2つの要素が必要であると弊社は考えます。
1つは課題の共有(競争原理)。もう1つは雑談。
健康についての課題は個人によって異なるといった観点を踏まえながら、課題を共有させるといった仕組みが必要です。言い換えるならば、競争原理を利用して健康課題に取り組むことが、問題解決に繋がります。具体的には、多くの企業様で行われている、歩数にポイントを付与させて社内もしくは部署ごとで競い合い健康意識を高めるといった方法などが挙げられます。この方法にはもう1つの要素、雑談の要素も含まれます。例えば、「今日どれくらい歩いた?」「今日は〇〇があったからあまり歩けなかったな。」などといった仕事とは関係ない会話、つまり雑談が生まれ楽しく継続出来るといった要素が含まれるのです。
*課題の共有(競争原理)と雑談の要素を含んだ弊社ソリューション「ビジネスゲーム:健康チェックカード‐心技体‐」はこちら
そして、この雑談にこそ、心の健康について予防といった観点での対策の1つになり得ると弊社は考えます。雑談は最近ビジネスシーンでも重要視されている部分ですが、ビジネスでもプライベードでもリラックスできている会話内容といえば「雑談」であると皆さんも想像できないでしょうか?雑談にはリラックスしている時に、勝手に出てしまう話題なのかもしれません。そうであるなら、雑談をできる仕組みが健康づくりの話し合いの場には必要になるということになります。
健康測定器具の設置と運用
最後に健康測定器具については、設置したからといって健康につながる分けではありません。血圧計も体温計も、そして体重計も1回計測しただけでは意味が無く、経過を追っていくことで初めて有益なデータとして使用することが出来ます。設置したのち、どのように運用するかが必要となってきます。例えば、弊社では3ヶ月に1回健康チェックカードを実施し、点数とともに血圧や体温、体重(BMI)などの推移をデータとして残しています。
このデータを計測することが健康管理のPDCAサイクルのCheckになり、経過を追っていくことが健康管理のPDCAサイクルを回す要因として重要となります。