健康管理のPDCAサイクルを回す

健康管理というと、今ではITやIOT技術の進歩により、脈拍や体温、体重などを計測してくれるウェアラブル端末とスマートフォンを利用したアプリなどで、自身の健康に関するデータを取得管理すると言った方法が浸透し、多くの方が使用されています。上手く使えば非常に効率的で、効果的に健康管理が出来るツールです。これらのツールの多くは、脈拍などのデータを蓄積し比較することで対策を得るといったチェックの機能であるといえます。

前回の記事の一部でも紹介しましたが、健康管理に必要な事は、チェックした内容を改善に向かわせるといったPDCAサイクルを回すことであると弊社は考えています。

今回は、健康管理のPDCAを回すことの難しさと、回すための要素について考えてみたいと思います。

 

健康管理とPDCAサイクル

PDCAサイクルPDCA cycle、plan-do-check-actcycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の1つとされていますが、元々は製造業を中心に普及した考え方であることは皆さん周知のことかと思います。この考え方は、様々な分野で使用されていますが、健康管理の分野ではまだまだ確立した方法がないのではないかと弊社は考えています。

その理由の1つに、健康管理は、今まで個人の自己管理に任されていた部分が多く、且つ健康管理自体が、個人の我慢や節制といった個人行動に依存しがちであるといった点があります。自己管理に必要な要素としては、1)感情のコントロール、2)意識やモチベーションの維持、3)目的意識を持つ、4)時間管理などが挙げられますが、これはPDCAの一番大事な部分、DO=行動に影響する部分です。

*自己管理に関する記事はこちら

そう、健康管理が上手くいかない理由の最も大事な部分、それは、DO=行動が個人の自己管理によって大きく左右されるといった観点です。

例えば、毎年の健康診断などで尿酸値が痛風と診断される一歩手前であるといったCheck=評価結果が出たとします。このままではいけないといったことで、Act(Action)=改善するためのPlan=計画も医師から提供してもらった。ただし、それを実行するかは個人のDO=行動に依存されており、「お酒が好きだから、おいしいものが好きだから、痛風になってもいいんだ!」といった考え方であれば健康管理のためのPDCAサイクルは回ることはありません。このような経験を皆さんはお持ちではないでしょうか?

この、DO=行動の部分を如何にスムーズに回すかが健康管理には求められます。

 

健康管理のDO=行動を促す

それでは、健康管理のDO=行動を促すために必要な要素は何なのでしょうか?

それは、個人依存からの脱却(チームの協力)と課題の共有(競争原理)だと弊社は考えます。

Do=行動が個人の自己管理によって大きく左右するのであれば、自己管理を個人に任せるのではなく、チームで行うことが最も最適であるといえます。個人だと感情や意識、モチベーションによって行動が大きく変わりますが、チームの協力が関与することによって、感情や意識、モチベーションを自分とは別の他人から得られる利点があります。このチームの協力に、課題の共有(競争原理)を組み合わせることにより、さらに行動を加速させることが出来ます。

例えば、前回の記事でも紹介した、多くの企業様で行われている、歩数にポイントを付与させて社内もしくは部署ごとで競い合い健康意識を高めるといった方法は、「歩く」といった行動に対して、部署ごとといったチームを作り、さらに競い合わせることによってモチベーションを挙げたり、チームで協力するといった方法をとることで行動を促すことに成功しています。

行動を促すことが出来れば、その次のCheck=評価結果が初めて活かさせることになります。そうなると、初めてPDCAサイクルは回り始めるのです。

 

健康管理のPDCAサイクルを1つにまとめる

ただし、そもそも健康管理は個人の自己管理に依存しやすい部分があり、仕事だけでなくプライベートでの自己管理が必要となる部分が多くを占めるため、継続的にPDCAサイクルを回すには仕組みが必要です。そこで、出来るだけPDCAサイクルそのものをシンプルにする方法が求められます。できれば、1つの施策でPDCA全てが網羅でき、且つ健康管理に最も重要なDO=行動から始まるサイクルの仕組みが構築できれば、PDCAサイクルは回り続けます。

そのために必要な要素は、

1)課題の共有

2)課題に取り組む実施方法

3)評価結果(点数)の見える化

4)改善策のプラン設定

5)次回までの行動目標と実施日時の決定

この5つの要素を含む仕組みがビジネスゲームです。

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ビジネスゲームの特徴は、DO=行動(経験)からすべてが始まるといった「経験学習モデル」から成り立ちます。1)課題の共有と、2)課題に取り組む実施方法をビジネスゲームを利用することによって解決できます。

特に弊社の「ビジネスゲーム:健康チェックカード‐心技体‐」では、Check=評価結果(点数の見える化)を振返りにて参加者同士で把握し、Act=改善策の把握と、Plan=行動計画を書面に記載し、発表することで言語化します。1回のビジネスゲームの実施で、PDCAが完結しますが、ビジネスゲーム後の振り返りや、さらに2回目のビジネスゲームを実施=実践(試行)することによって、PDCAサイクルを回す仕組みが成り立ちます。

*PDCAサイクルを回す仕組みを作る弊社ソリューション「ビジネスゲーム:健康チェックカード‐心技体‐」はこちら

そして何より、健康管理を実施する上で大切な要素の1つが「楽しく継続出来る」事です。どんなに良いPDCAサイクルが出来たとしても、嫌々やらされていると効果は期待できません。また、学習効果には好奇心が関与しているといった報告もあり、ビジネスゲームの持つ「熱中する」といった要素は、楽しさと好奇心を兼ね備え、楽しく継続出来るといった効果をもたらします。

健康管理のPDCAサイクルを作りたいという方がいらっしゃれば、是非一度ご相談ください。

一緒に、自社にあった仕組みを考えましょう!

 

参考)研修を導入した企業さま事例

㈱P社(サービス業 参加者7名 男性:6名 女性:1名)
㈱P社では、約半年の期間を置いて「健康チェックカード~心技体~」に取り組まれました。
点数の合計平均点は初回59.4点、2回目は62.9点と点数が改善され個人の健康リテラシーが向上したことが示唆されました。
特に技(習慣)部分の項目の1つで高い改善効果が認められ、意識の変化が見てとれます。また、心(精神)の部分で仕事への没頭と信頼の部分が高い改善効果が認められ、組織としてチームビルディングが初回よりも深まっていることが示唆されました。
一方で、体(身体)部分では点数の減少がみられますが、歯の健康について気付くことができたという結果であり、虫歯などを放置していた可能性を回避できたのではないかと考えられます。
その他、全体的に定期的な運動を行う機会が減少していることから、柔軟性やバランスなど動作の項目でも全体的に点数が減少している結果となっていることが示唆されました。

㈱P社研修レポート(組織)
個人向け研修レポートの例