スタッフの西野です。
先日、弊社でスタッフの健康チェックを「ビジネスゲーム:健康チェックカード‐心技体-」を使用して実施されました。
入職して初めて実施しましたが、とても楽しく、さらにチームビルディングが深まったと弊社の商品でありながら楽しく感じることができました。
私は、奇しくも血圧チェックの所で引っかかりました。まだ32歳なのに…健康ブログを書いているにも関わらず、お恥ずかしいばかりです。
しかし、血圧が高かった理由が、あとになってからはっきりしたので、それは後半でお話したいと思います。今回は、健康と高血圧についてお話していきます。「高血圧治療ガイドライン」解説冊子がとても分かりやすかったので、参考にしながら考えていきたいと思います。
日本人と高血圧について
高血圧は日本人にもっとも多い多い生活習慣病で、国が行った健康調査によると、約 4300万人の患者さんがいると推測され、そのうち約 900万人の患者さんが診察を受けています。残りの3400万人のなかには、高血圧でも放置している人、独自に生活習慣の修正をしている人のほか、高血圧と気づいていない人もかなり含まれています。高血圧は脳卒中、心臓病、腎臓病などを引き起こす重要な要因となります。また、平成26年度の国民医療費は40兆8,071億円で、このうち高血圧性疾患の医療費は1兆8,513億円でした。
高血圧は、原因がはっきりわからない本態性高血圧と原因が明らかな二次性高血圧に分けられます。日本人の高血圧の約 90%が本態性高血圧で、遺伝や食塩の過剰摂取、肥満などさまざまな要因が組み合わさって起こります。二次性高血圧は、腎臓やホルモンをつくる内分泌腺の病気によって血液量が増えること、血圧を上げるホルモンが体の中に多くなることや、心臓や血管の病気が 原因で起こります。二次性高血圧は、本態性高血圧とくらべると、若い人に多くみられます。
血圧とは何か?
血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことで、 心臓が縮んだり広がったりすることで発生します。血圧の値は心臓から押し出される血液量(心拍出量)と、血管が収縮して血流が妨げられる血管抵抗、血管の弾力によって決まります。心臓が血液を動脈に送り出す圧力を「収縮期血圧」または「最高血圧」といいます。これに対して心臓が元に戻り、血液をためる間の血圧を「拡張期血圧」または「最低血圧」といいます。
血圧は、腎臓や神経(中枢神経や自律神経)、内分泌系(腎臓や副腎などのホルモン)、血管内皮細胞からの血管収縮、もしくは拡張を進める物質など、多くの因子によって調節されています。食塩の摂取量も重要です。
血圧というのは常に変化しています。血圧の変動は精神・身体活動によるところが大きく、これらの活動が高まれば上がります。朝の目覚めとともに血圧は上昇し、日中は比較的高く、夜になると下がり、睡眠中は最も低くなります。季節によっても変動し、冬は高く、夏は低くなります。血圧は一般に年齢とともに高くなります。ただし、上の血圧は上昇を続けるのに対し、下の血圧は高齢になるとむしろ下がってきます。このように精神・身体活動、日内変動、季節などによって血圧は常に変化します。
血圧測定と血圧の値について
血圧測定には診察室で測るものと家庭で測るものとがあります。高血圧の判定では、診察室血圧よりも家庭血圧にもとづくほうが優先されます。日本高血圧学会のガイドラインでは、血圧の値を下の表のように分類しています。診察室で測った血圧が、収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、あるいは両方が140/90mmHg 以上であれば、高血圧と診断されます(家庭血圧値では 135/85mmHg 以上を高血圧とします)。
また、新しいガイドラインでは、高血圧をⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3段階に分けています。従来は、軽症・中等症・重症としていましたが、軽症というと誤解を与えやすいので、治療を必要とするレベルであることを明確にしたものです。
正常高値というのは、「高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベル」という意味で、高血圧予備軍の段階です。また、(孤立性)収縮期高血圧とは、収縮期血圧だけが特に高いもので、動脈硬化の進んだ高齢者に多くみられます。
「白衣高血圧」と「仮面高血圧」健診やかかりつけのクリニックなどで血圧測定を行うと、医師や看護師の前で緊張するせいなのか、普段よりも血圧が上昇する人が少なくありません。こういうケースを「白衣高血圧」と呼んでいます。通常、家庭血圧は診察室血圧より収縮期、拡張期ともに5mmHg低めです。一方で健診や診察時の血圧は正常なのに、家庭で数値を測定すると血圧が高くなる「仮面高血圧」の人もいます。仮面高血圧のほうが血圧が高い時間が長いため、体に負担がかかります。高血圧の状態が長く続くと、血管に高い圧力がかかったままになって血管壁がもろくなり、さまざまな障害が生じてきます。
最近の研究で、心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)の発症を予測する方法として、診察室血圧よりも家庭血圧の方が優れていることがわかってきています。このことは、高血圧の診断でも診察室血圧より家庭血圧の方が、信頼性が高いことを示しています。そのため、高血圧治療ガイドライン2014でも、高血圧の判定では、診察室血圧よりも家庭血圧にもとづくほうを優先するとしています。
高血圧の原因と予防
高血圧症の95%は原因を特定できない本態性高血圧であり、その背景には遺伝的体質に塩分の過剰摂取・肥満・飲酒・その他の生活習慣要因などが複合的に重なっていると考えられています。残りの5%は特定の病気が原因となって引き起こされる高血圧で、二次性高血圧と呼ばれます。睡眠時無呼吸症候群でも高血圧を合併します。高血圧の治療としては、生活習慣の修正によって高血圧の予防が期待できます。生活習慣修正の基本は、まずは食事・運動・喫煙になります。
【高血圧と食事】
1.塩分制限
塩分を取りすぎると、血液の塩分濃度が高くなります。身体はそれを防ごうと、細胞の中の水分を血液に移行させて血液中の塩分濃度があがらないようにします。結果として血液の量が増えるため、血管の壁にかかる圧力が高くなり、高血圧となります。ですから、高血圧の予防には減塩が必要です。厚生労働省は、健康な日本人の成人男女が目標とすべき1日の食塩摂取量は各々9g未満と7.5g未満としています。また既に高血圧となっている方では1日6g未満とすることを推奨しています。
2.野菜・果物の積極的摂取
野菜や果物には、体内の余分な塩分を排泄する作用があります。野菜料理は毎食1皿以上、1日当たり小鉢で5-6杯を食べるようにしましょう。生のままで食べるよりも加熱すると「かさ」が小さくなるため、容易にたくさん食べられるようになります。
また、果物は1日当たりバナナ1本とオレンジ1個程度が目安です。ただし、腎臓や心臓に病気のある人は、バナナ等の果物に多く含まれるカリウムが悪影響になることもあるので医師に相談する必要があります。
3.コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
コレステロールや飽和脂肪酸は、動脈硬化を進行させます。血管が硬くなり、弾力を失うと血圧が上がりやすい状態になります。揚げ物や菓子類等の甘いもの、肉類の多い食事などに偏った食事は避けるようにしましょう。
【高血圧と運動】
適度の運動には、高血圧を改善する効果があります。さまざまな調査・研究から、運動によって私たちの体内では次のような作用が活発になり、相乗的に血圧を下げる効果がみられることがわかっています。
- 交感神経の働きが低下して血管が拡張し、血圧が下がる。
- インスリンの働きがよくなり、相対的に分泌量が減り、インスリンのもつ血圧上昇機能が弱まる。
- 利尿作用が活発になり、体液量が低下し、血圧が下がる。
ただし、運動も適度な運動が大事になります。運動中は少し血圧が上昇します。やりすぎは逆効果になるので注意は必要です。また、高血圧の治療を受けている方は、自己流でいきなり運動を始めると危険なので、医師に相談するようにしてください。
【高血圧と喫煙】
喫煙は血管を収縮させるため、血管の幅が狭くなるのに対して血液量は変わらず、結果として血管にかかる圧力が大きくなり、血圧が上昇します。また、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中の原因となることがわかっています。さらに、メタボリックシンドロームの重要な危険因子でもあります。血圧が高めの人は、タバコの本数を控え、できれば禁煙をするほうが望ましいです。
高血圧と健康のまとめ
冒頭にも述べましたが、高血圧は日本人にもっとも多い生活習慣病で、まさに国民病の一つです。高血圧性疾患に関する医療費は1兆円を超えると言われています。これは国民一人一人が真剣に考えていかなければいけない社会問題の一つとも言えます。高血圧を放置していると、脳卒中や心筋梗塞など、動脈硬化を引き起こしてしまいます。高血圧は、本当に恐ろしい病気です。高血圧が国民病である以上、誰しもかかる可能性があり、高血圧についてちゃんと知っておくことは大切です。高血圧について意識と知識を高めていくことが、今後必要な時代になってきます。私も今回の記事を書きながら、改めて健康への意識と予防への意識を高める良いきっかけになりました。皆さんが元気で健康に暮らしていけるように、また情報発信していきたいと思います。
ライター:西野大助
富山医療福祉専門学校理学療法士学科卒業
【理学療法士】
リハビリ専門職である理学療法士国家資格取得後、約10年富山県内の総合病院で急性期医療から回復期医療、在宅医療のリハビリに従事。その後SUDACHIに入社。パーソナル事業部の責任者を務め、主にパーソナルトレーニングや集団でのパフォーマンス指導や姿勢指導、傷病予防などの分野を担当している。また、病院在籍中から現在にかけてスポーツ分野での障害予防などにも積極的に取り組んでいる。
最近結婚し、仕事でも家庭でも頑張ろうと意気込んでいる。