健康経営ゲーム研修報告 #3(健康チェックカード-心技体-)

先日、富山婦中地域、婦中西包括支援センター様が主催された、医療介護連携推進会議にて、健康チェックカード健康経営ゲームを使った講習を実施させていただきました。

医療介護連携推進会議の目的は、地域における介護及び医療に関する課題について関係者が情報共有を行い、介護と医療の連携を図ることとされています。

今回の講義依頼では、地域の高齢者の方が、「人生を元気に過ごしていくために必要な運動・活動について」という演題でのご依頼でしたので、弊社ソリューションの「ビジネスゲーム:健康チェックカード~心技体~」を利用しての講義となりました。

対象者は、地域のケアマネージャーの方や民生委員などの方々など合わせて50名程度、平均年齢は70歳と弊社にとっても初めての挑戦でしたが、楽しく健康について学び、地域に持ちかえっていただくことを担当者の方と講義の目的とすることにしましたので、今回の講義が実現しました。

今回は、「ビジネスゲーム:健康チェックカード~心技体~」の研修内容から、SUDACHIが得た気付きと学びを紹介していきたいと思います。

 

ビジネスゲーム:健康チェックカード~心技体~

まずはゲームの基本構造を。

健康チェックカードの仕組みはシンプルです。

3~4人がグループとなり、カードを確認しながら50問ある問いを参加者全員で点数をつけていきます。

カードの種類は大きく分けて3種類。

心の状態を表すピンク色の『心』カード。

日々の習慣を表す黄色の『技』カード。

身体の状態を表す緑色の『体』カード。

それぞれ、質問事項と回答に伴う点数が0点から2点まで記載されており、満点は100点となります。

見ているポイントと点数が悪い場合の将来起こりうるかもしれない状態、そして点数が悪い場合に日々心がけることが記載されています。

グループでセルフチェックを行っていくので、点数が良い人悪い人が必ずでき、なぜ自分は出来るのに他の人は出来ないんだ?という疑問や、出来ないことが悔しいなどといった競争が生じ、コミュニケーションが必ず生まれるため楽しい研修となります。

今回は、各テーブルにケアマネージャーの方が付き、ファシリテーター役となっていただきながら研修を進めていきました。

 

研修スタート!

研修開始の前に、少し「健康」についての知識を深めていきます。

健康の文字の間と後ろには、2つの文字が隠れています。それは『体』と『心』です。

「健体康心」

健やかな体に、康らかな心が揃って健康と言えるのです。

この『体』と『心』とくれば、もう1文字何か思い浮かびませんか?

そう、『技』~心技体~です。

健康も心技体が揃ってはじめて成り立ちます。健康も技術が必要なのです。

と、恐縮ながら人生の大先輩方を目の前にしながら研修を進めていきましたが、皆さん真剣にメモを取っていただいており、大変うれしい思いをいたしました。

 

~心~

最初に取り組んでいただいたのは、カードの「心」の部分。メンタルヘルス領域のカードです。

幸福感、抑うつ、ワークエンゲイジメント、バーンアウト、ソーシャルサポートなどといった普段の生活ではあまり考えない領域について、6名程度で話し合いながらチェックを進めていきます。

この日は地域で顔見知りの方が集まっていたので、最初から比較的スムーズにチェックが進んでいきます。ただし、普段からありがとうを伝えていますか?などの設問時には、笑いながら、

「男はだまっとるもんやちゃ!(男はだまっているものだ!)」

などといった男性の会話から、

「でもいってほしいがよ(でもいってほしいのよ)」

といった心温まるコミュニケーションがなされていました。普段あまり気づかないコミュニケーションを実践されていた場面でした。

 

~技~

次に取り組むのはカードの「技」の部分。習慣やフィジカルヘルスの部分です。

姿勢や動作、歩行、食生活、運動などのもっとも身近で分かりやすい部分を、実際に身体を動かしながらチェックしていきます。

ここからが「ビジネスゲーム:健康チェックカード~心技体~」のもっとも楽しい部分。

参加者の方の平均年齢が70歳程度から、どのような展開になるのか私もドキドキしていましたが、そのドキドキはすぐにワクワクに変わりました。

「え!か、なんでできんがよ!?(なんでこんなことできないの!?)」

「なんでできんがよ!?(なんでできるの!?)」 *同じ言葉ですけど、違う意味になっているのが富山弁の面白い所です。

「か、出来んわ!(うわ!これ出来ないわ!)」

と、いつもの研修通りに活気ある研修風景へとドンドン進んでいきます。むしろ、人生の先輩方には負けず嫌いの方が多いのか、かなりデットヒートし会場は熱気に包まれエアコンも途中で切ってしまわれるほどでした。

 

~体~

最後に取り組むのが、カードの「体」の部分。身体の状態を表すカードです。

睡眠や体調などの項目を、今までの「心」と「体」で高まった健康に対する意識をさらに深めながらチェックしていきます。

昼寝などに関して、

「か、昼寝が長すぎるがけ?(これ、昼寝が長すぎるの?)」

などといった新しい知識が参加者の方に入っていく瞬間です。改めて、健康に対する意識と知識が蓄積されていきました。

 

健康チェックカード~心技体~に取り組んで

「ビジネスゲーム:健康チェックカード~心技体~」に取り組んだ後には、「work seat」を利用しながら振り返りを行います。

振り返りを実施する前に、皆さんから感想をいただくことができました。

参加された全ての方が、「楽しかった」と言っていただけました。これは、今回の研修が新たな挑戦であった弊社にとってとても嬉しいご感想でした。

今回は、医療介護連携推進会議という特性上、地域における健康への取り組みについて考えいただくことをベースにしながらも、先ずはやはりご自身の健康についてどの様に感じ、どの様に取り組んでいくかについて振り返りを実施しました。

その中で、

Q.健康に対してあなたが具体的に行うことを、明日から〇〇しますという形で記載してください。

という問いの中で、

「明日から2日に1回だったラジオ体操を毎日すっちゃ!(するね!)」

「出来んかったら、おわ、酒やめっちゃ!(出来なかったら、私、お酒やめます!)」

といった、とても大きな発言もありました。

平均年齢70歳を超える参加者の方々にも、弊社の「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」が受け入れられたのだと大変嬉しい気持ちになりました。

また、

Q.地域の健康作りに関して、あなたができることは何ですか?

の問いでは、

「こんながみたいに、たまに確認すっがちゃいいがいの(こんな風に、定期的に確認することっていいな)」*富山弁って暗号みたいですね(笑)

というお話が上がり、地域で定期的にチェックする仕組みを考えていこうというお話もいただき、一部の地域では実際に実行する準備をすることをお話しされました。地域の健康に対する課題について考えるといった目的を達成でき、弊社としても大変嬉しく感じました。

 

気づきと学び

今回の、医療介護連携推進会議、参加者の平均年齢70歳以上での研修実施時に、弊社が得た気づきと学びは、「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」は、年齢や性別を問わず、健康について楽しく学ぶことができ、どんな状況においてもチームビルディングが可能ということです。

また、今回の点数の公開はできませんが、年齢が若いからといって点数が良いということではないということ。今回の研修では、人生の先輩の方がファシリテーター役のケアマネージャーよりも点数が良いといった結果もありました。

その他、個人差はありますが、男性の方が女性よりも身体の柔軟性をチェックする項目において点数が低くなるといった傾向もみられました。

この様な点から、やはり結論として、

WHO憲章では、その前文の中で「健康」について、次の様に定義付けしている様に、

“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」(日本WHO協会訳より抜粋)

健康は年齢や性別ではなく、心と体が満たされ、さらには地域や社会で認められている状態があって初めて健康と言えるのだと実感することができ、普段からの習慣が健康につながるのであると実感しました。