健康経営と健康管理

健康というと皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?

元気、活き活き、活動的などといったポジティブなイメージを持つ方や、我慢、節制などといったネガティブなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか?

前者は健康になった結果であり、後者は健康になるまでの道筋であるととらえる事もできます。

健康になるまでの道筋と捉えると、「健康管理」「自己管理」といったマネジメントの観点が重要になります。

今回は健康経営における本丸、健康管理について考えてみたいと思います。

 

健康管理とは?

健康管理とは、疾病を予防し、健康を保持、増進するという目的を達成するために行なわれる管理のことで、個人の保健行動と、専門家の保健活動とによって達成されます。

健康管理は広義と狭義に用いられ、広義の健康管理は狭義の健康管理と疾病管理とが包含され、健康現象全般が対象になります。健康管理の場としては、地域、学校、職場などが主になるが、個人の生活全体をとらえるためには、個々の集団における健康管理だけでなく、それぞれが連携を保った一貫した体制が必要であるとされています。

出所)ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

これを企業に当てはめると、企業が行う健康管理(健康診断や産業医や健保との連携など)と、社員が自ら実践する自己管理があげられます。

この自己管理については先述したような「我慢」「節制」などといったネガティブな側面を持っている部分です。ダイエットや運動習慣などもこの一部に入ります。この「我慢」や「節制」がなかなか自己管理を十分に行うことが出来ない原因の1つです。

しかし、この自己管理は個人の人生の質(QOL)や企業における生産性とかなり直結する部分です。例えば、風邪を引いた状態で家族との余暇を十分に楽しめるでしょうか?風邪を引いた状態で大事なプレゼンテーションに臨むとすれば、十分に相手へ伝えたいことを伝えることが出来るでしょうか?

毎日健康で活き活きと余暇を楽しみ、職場に行きたくなる。そのような体質になる為には、会社組織で取り組む職場環境の改善や健康管理と、個人に任せていた自己管理を仕組み化することが必要になります。

 

自己管理

自己管理を考える上で、大切であると考えていることが5つあります。

1)感情のコントロール

人は感情の生き物です。この感情のコントロールが自己管理を難しくする要因の1つです。

2)意欲やモチベーションの維持  

感情のコントロールとも似てはいますが、3日坊主という言葉があるように、人は感情の生き物なので、嫌なことがあった時などは特に「今日はいいか」といった行動に陥りやすいものです。意欲やモチベーションを持ち続けることがいかに難しいか、考える必要があります。

3)目的意識を持つ

何のために健康管理をするのか?といった管理そのものの目的が無ければもの後は続きません。「健康でいつまでも活き活きとした人生を送る → そのために健康管理をする」「会社で業績を上げる → 1日1件訪問件数を増やす → そのために健康管理をおこなう」といった目的からの逆算が必要です。

4)時間管理

目的は設定したけども、いついつまでにどのようになるといった具体的目標と、期限や時間の管理が必要です。例えば、「1日1件訪問件数を増やすために、朝からうごける体制をつくる → そのためには、夜11時までには就寝し、朝5時には起きる」などといいった時間の管理が大切です。

5)チームの協力

5つめは一般的には体調管理ですが、その体調管理を行う仕組みとしてチームで協力する仕組みが必要であると弊社は考えています。上記の1)~4)の要素は全て個人に依存しており、我慢や節制といったネガティブな要素を強く含んでしまうことになります。それを、チームや仲間と一緒に行うことで、ネガティブな要素をプラスの要素に変換することがしやすくなると考えています。例えば、期日については特に仲間の要素が重要になります。自分一人だと期日を守らなくても誰にも迷惑を掛けませんが、相手がいると迷惑を掛けることになるため、時間の管理を実行しやすくなります。

 

この、チームの協力こそ、自己管理を仕組み化する方法です。

 

自己管理と生産性

自己管理が十分に実行されると、パフォーマンスは向上します。以前に紹介した記事では、生活習慣病とメンタルヘルス不調との関係に触れ、糖尿病や高血圧・肥満などがうつ症状と関係があり、仕事にも支障をきたすことを示しました。

従業員の健康コストの構造

また、自己管理が出来ず、メンタルヘルス不調や生活習慣病を患っている人の増加は、プレゼンティズム(presenteeism:出勤しているにも関わらず心身の問題により充分にパフォーマンスが上がらない状態)が増え、企業における生産性の低下を招くことにまります。

*出所:Dee W.Edington and Wayne N.Buton(2003)より作図

社員一人一人が自分の健康に対し自己管理が不十分であると、生産性が低下することが示されており、企業として生産性を向上させ企業業績を伸ばすためには、直接的なコストだけでなく、全体の6割以上を占める従業員の生産性の低下の原因となっている要因=健康管理を何とかしなければならないということがわかります。

 

健康管理の仕組み化

健康管理を仕組み化する方法の1つとして、チームで協力する方法があります。

「ビジネスゲーム:健康チェックカード‐心技体‐」参加者全員が同一の基準で健康チェックを行います。そしてその結果は点数として見える化されます。そのためお互いの得点を比較することが可能となります。健康そうな若手社員が不健康だったり、ベテラン社員が健全な結果になったり、意外な結果が出て来ることも多々あります。目標を同じにし、共有することができる意外性の高い話題は、チーム内の懇親を深め、協力する仕組みを作りだします。

特に、有効な場面が競争の場面です。前述のような、健康そうな若手社員が不健康だったり、ベテラン社員が健全な結果になったり、意外な結果が出て来ることも多々あることは、「悔しい」や「負けたくない」といったゲームの一要素を含み、その楽しさから健康管理をチームで実施できるようになります。

実際に、以前に行った企業様からいただいた感想は、

他の人と比べられる、というだけでどうしてあんなに盛り上がるんだろう、と思うくらい楽しんで受けることができた。
2回目は1回目より点数が良くなっていたので、単純に嬉しかった。次回はもっと良い点数になるようどこを改善しようか、と考えるのもまた楽しい。
(システム30代男性)

仕事の最大の資本は身体の健康、そのことを再認識する機会となった。若いうちから今ある健康を大切にしたいと思った。
(人材20代男性)

1回目に行った時は社内でブービー賞で愕然とした。それから意識して、食事を食べる順番と、品目、カバンの持つ手を変えるようにした。
満を持して臨んだ2回目だったが、みなの伸びの方が優れていたのと、いそがしさから悪化した項目があったので最下位になってしまった。健康の衰えを感じるようになってきたので今は定期的に時間をかけてストレッチするようにしている。
次は勝つぞ!!
(コンサルティング30代男性)

といった声をお聞きでき、1人で健康に向き合うのではなく、チームで向き合うといった競争の文化が生じることが分かります。

自己管理というと、自分一人で行うものであると捉えがちですが、1人で実施できることは意外と少なく、周囲を巻き込みながら管理を行っていく仕組みが必要であると弊社は考えます。

 

健康経営や健康管理も個人1人で出来るものではなく、チームビィルディングを通じて、共通の話題や目標が必要なのです。


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