スタッフの西野です。
先日の仕事での失敗談から。
弊社介護保険事業のリハビリ倶楽部の場面で、私が利用者様の送迎に出かける際、他送迎車のカギをポケットに入れたまま他の送迎車で出かけてしまい、別のスタッフが送迎車を使用できず、スタッフや利用者様に大変迷惑をかけてしまいました。私は、かなり焦ってしまい、『とんでもない事をしてしまった』という申し訳ない気持ちで会社に戻りました。
しかし、会社に戻ると、スタッフは私を責めることなく、私のミスをスタッフ全員でカバーしてくれていました。『大丈夫だよ、今度また気をつけてね』と、声をかけてくれました。
私はスタッフに申し訳ない気持ちとほっとする気持ちが入り交じり、なんとも言えない気持ちでした。ミスをしてしまった私は当然、責められたり、怒られたりしてもおかしくないと感じていたのですが、スタッフは、普通に何事もなかったように接してくれて、落ち込んでいる私にも気を遣ってくれました。
モチベーションが高まる職場
今回の失敗談とこの時の心境をもとに、モチベーションを高める職場とは何かを改めて自分なりに考えてみました。
1日の大半を過ごす職場、人生においても30~40年間仕事をしていく中で、職場の環境というのはとても大事なことです。
皆さんの職場環境はどうでしょうか?
弊社の職場環境について、スタッフは少人数ですが、何でも気軽に話しができ、笑いも多くて、とても居心地が良いと感じます。まだ勤務して半年ですが、私を家族のように接してくれ、大変嬉しく思います。本当に楽しく、気持ちよく仕事ができます。
そして、また温かく接してくれるスタッフに貢献したいといった自分の中の感情に気づきます。これからも多くの経験を積んで、コツコツと自分の人生のビジョンや弊社のビジョンに向かって一歩ずつ進んでいくと決め、貢献できるように成長していこうと実感しています。
また、業務においても、「こうしたら効率がいい」、「ちょっと変えてやってみよう」、「これはやめてみよう」と提案が多く、それをすぐに実践する所です。本当に効率的だったかは、実践しなければ分かりません。結果として業務の効率が良くなかったとしても、違う見方ができたり、別のアイディアが浮かぶことが多くあります。
日々の業務のことなので、やり方や流れの何かを変えたりやめたりすることは大変なことかもしれません。しかし、こうやって「自分達が働きやすくなるために、環境を見直してみよう」といった目的のもと、業務の流れを見直したり、変えていけることは、スタッフ一人一人が自分自身の意見を伝えることができるといった、「受け止めてもらえる」安心感からくるものだと感じます。
若手と上司の意見交換の場
大きな組織になればなるほど、業務をすぐに変えることは難しく、また業務の改善に意見することは批判や反発もあるので、とても勇気のいることです。特に若いスタッフは、なかなか自分の意見を言えないかと思います。「なんでこんな非効率なことをしてるんだろう?」「どんなの意味があってこの仕事をしなくてはいけないのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。
その意味を理解するにはまず会社のビジョンをしっかりと把握する必要があります。会社のビジョンに沿って目的が造られ、目標が作られ、行動目標や業務が作られるからです。しかし、ただ単に、ビジョンの提示や目的・目標の共有を行うのではなく、どのような経緯で今の業務の流れにたどり着いたのかまでは理解できていない可能性もあるため、ただただ否定したり不満を持つということもありえるでしょう。今の会社の環境や業務の流れが出来上がったのには、長い年月と変化を経て成り立っています。それを理解するところから、改善の提案が始まります。
そして、やっと若手と上司の意見交換が始まりますが、どうすれば、若手も上司(管理者)も、お互いの立場も関係なく意見交換ができるのでしょうか?また業務の改善だけではなく、今後の会社の方向性や未来について語ることができるのでしょうか?
私は、その方法の一つに話がしやすい場を作ることが大事と考えます。このような場は“インフォーマルな場”とも言い方をされることもあります。
インフォーマルとは、“公式でないさま”、形式ばらないさま”、“結果のない”というような意味で使用されています。若手や上司の立場の壁を越えて、ざっくばらんに話しができるため、普段言えないことも話しやすくなります。コミュニケーションが活性化されます。
具体例としては、職場内にカフェのようなスペースを作ることや、職場での設定が難しい場合は、近隣のカフェでコミュニケーションをとる、スーツや仕事着ではなく、普段着で仕事をする日を作るなどといったことが挙げられます。
もちろん、その場がお酒をかわすような場でもコミュニケーションを円滑にするための一手段としては良いのですが、わいわい、がやがやで物事の本質をゆっくり話し合うことができなかったり、酔いが回ると思考も低下します。またお酒が飲めない体質の人もいるため、ベストな場とも言えません。
一人一人の意見やその人の目標、考え方を受け入れ、後押ししていくための、職場環境の工夫も一つの方法です。
今回のまとめ
コミュニケーションがしっかり取れていて雰囲気の良い職場は、それだけで仕事のモチベーションがあがります。一方、雰囲気が悪い職場だと、どうしても居心地が悪くなります。
業務の効率が悪くなったり離職率が高まったりと、様々な問題が生じます。現代の社会では、コミュニケーションをとる方法が多様化し、SNSやIT技術の発展によりコミュニケーションをとる方法が多様化しています。近くにいても直接対話せず、メールで済ませてしまうようなことも多くなってきています。
また、こうした職場は良くない、こういう職場にしたいと思っていても、若手と上司が議論することできずにいます。管理職だけが孤軍奮闘しても、若手がついてこない。若手だけが不満を言い合っても、管理職には全く伝わらない。それでは、会社としてよい相乗効果は生まれません。業績を上げることはできないでしょう。
よりよい環境で最高のパフォーマンスを出すために、会社の雰囲気作りはとても大切です。職場環境がパフォーマンスや精神的なものに影響していきます。
職場環境は、今の状態がベストとは言い切れません。時間が経過するにつれて刻々と変化していくものです。
まずは、会社のビジョンや理念を再共有し、現状を把握し、職場のメンバー全員が本当はお互いの関係がどうありたいのかを素直に出し合い、相互理解を深めた上で、お互いが気持ちよく働ける居心地の良い職場づくり、その第一歩の取り組みを職場全員で考えていきませんか。
ライター:西野大助
富山医療福祉専門学校理学療法士学科卒業
【理学療法士】
リハビリ専門職である理学療法士国家資格取得後、約10年富山県内の総合病院で急性期医療から回復期医療、在宅医療のリハビリに従事。その後SUDACHIに入社。パーソナル事業部の責任者を務め、主にパーソナルトレーニングや集団でのパフォーマンス指導や姿勢指導、傷病予防などの分野を担当している。また、病院在籍中から現在にかけてスポーツ分野での障害予防などにも積極的に取り組んでいる。