健康経営とメンタルヘルス⑤

今回も前回に引き続き、健康経営とメンタルヘルスについて考えていきたいと思います。

今回の記事も、日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」が、2002年から企業のメンタルヘルスの取り組みに関するアンケート調査を実施している、第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(2014年)から、メンタルヘルス(心の病)に対する組織風土の問題について考え、健康経営とメンタルヘルスについて弊社の見解を添えて考えていきたいと思います。

 

メンタルヘルス〜心の病と組織風土との関係〜

日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(2014年)によると、「心の病」の増減傾向と組織状態に対する質問のクロス集計を行い、組織状態と「心の病」の 増減傾向の関係性について確認したところ、以下のグラフのように従業員の孤立した状況への肯定的な回答は、「心の病」が増加している組織で多く、組織内の垣根を越えたコミュニケーションに対して肯定的な回答は「心の病」が減少している組織では多くなっていることが確認されたと報告されています。

個人で仕事をする機会が増えた

そう思うややそう思うあまりそう思わないそう思わない不明
増加傾向1141.132.912.32.7
横ばい8.334.542.814.50
減少傾向8.726.152.2130

 

職場での助け合いが少なくなった

そう思うややそう思うあまりそう思わないそう思わない不明
増加傾向6.842.542.58.20
横ばい4.832.449.713.10
減少傾向8.721.752.217.40

 

職場でのコミュニケーションの機会が減った

そう思うややそう思うあまりそう思わないそう思わない不明
増加傾向9.649.334.26.80
横ばい4.838.648.38.30
減少傾向4.334.847.8130

出所:日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(2014年)

上記のグラフより、従業員の孤立した状況が「心の病」の増加と関連しているといえそうであるとメンタル・ヘルス研究所は結論づけています。また、「経営課題に対応するには個人だけでなくチームとして力を発揮することが求められている:Yes 94.0%」という状況があるにもかかわらず、孤立することがあれば、孤立の弊害は個人のレベルに留まらず、チームの力は発揮できないことになろうとも述べています。

このデータからは、人の人生の課題について読み取れる部分があります。以前の記事、「健康経営と人生の課題」でも述べたように、有名な心理学者アルフレッド・アドラーは、人生の課題についてこう述べています。

人生には3つの課題がある。

1つ目は「仕事の課題」。

2つ目は「交友の課題」。

3つ目は「愛の課題」である。

そして後の方になるほど解決は難しくなる。「愛の課題」とは、異性とのつきあいや夫婦関係のことである。人生で一番困難な課題であるがゆえに、解決できれば深いやすらぎが訪れるだろう。

この言葉と、今回のデータを照らし合わせるならば、職場での孤立した状態や助け合いのない風土、コミュニケーションを取る機会の減少が、仕事の課題と交友(今回は職場内での交友)の課題を難しくしている原因ということになります。この課題をクリアせずに、人生の課題は解決できません。

ただし、逆に考えるとこの仲間と協力できることや助け合いの出来る文化、コミュニケーションを取る機会が増えると、メンタルヘルス不調の改善のみならず、仕事の課題、交友の課題共に解決に向かうということになります。

 

なぜ孤立したり助け合う文化が少ないのか?

それではなぜ孤立したり助け合う文化がないのでしょうか?全ての企業に当てはまるということはないでしょうが、幾つか原因が考えられます。

1.コミュニケーション不足で職場内で誤解や不信感がある

昨今のSNSの発達や浸透により、多様なコミュニケーションが生まれました。直接会わなくてもLINEやチャットなどによりコミュニケーションが図れる時代となりました。同じ空間にいるのに、隣に座っているのにわざわざSNSでコミュニケーションを図る場合もあるほどです。確かに、時と場合によっては必要であり便利となりましたが、やはり直接会って会話するコミュニケーションに勝るものはありません。

2.それぞれの価値観の共有が出来ていない

企業には様々な年代や考えを持った人が集まります。大学までの同年代との付き合いよりも、幅広い年代や役職とのコミュニケーションが必要になります。よく、「今の若い奴らは」という言葉を聞くことがありますが、それはその年代やその人の価値観や人生観を把握したり、自分の価値観をそれぞれの年代で共有していないためです。

3.場の空気を読むことが出来ない(チームビルディングが出来ていない)

チームワークを意識すれば、自然に場の空気を読もうという気持ちになります。ところが、成果主義などの文化が浸透していたりすれば、個人での行動が多くなったり、常にマイペースであったり、まわりの空気や雰囲気を無視して発言したり、行動したりすることが時折あります。チームビルディングが出来ていないことが、孤立を助長するのです。

この他にも色々要因はあるかと思いますが、メンタルヘルス不調を防ぐために、協力しあい助け合いの文化があり、コミュニケーションの機会が多い企業になるためのキーワードとしては、

①アナログのコミュニケーション

②価値観の共有

③チームビルディング

この3つの要素を考える必要があります。

 

チームビルディング研修として

弊社の「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」を使用した研修・セミナーでは、上記の3つの要素を含み、協力しあい助け合いの文化があり、コミュニケーションの機会が多いチームへ導く内容が盛り込まれています。

健康経営ゲームでは社長や人事、管理職や社員といった役割に振り分けられ、それぞれの役割を模擬体験することができます。そして、役職には役職ごとの目標設定が書かれており、全体のゴールと個人の目標を達成して初めてゲームクリアとなる仕組みとなっています。そして何より、1役職の力のみでは決してクリアができない仕組みで作られており、他チームと協力することで初めて成果を上げられます。コミュニケーションがゲームのカギとなっているのです。

カードゲームといった特色上、アナログのコミュニケーションが必要となり、そこには言葉はもちろん表情や仕草、相手への配慮といった様々な要素を含んだコミュニケーションが必要となります。そして、役職毎に違う目標設定があることにより、相手の価値観の共有が大切であることを模擬体験することが出来ます。この2つの要素により、いつの間にかチームビルディングが図られる仕組みとなっています。

そしてチームビルディングに必要な要素の1つである、「安心感」をビジネスゲームは備えています。ビジネスゲームは模擬体験であることから、失敗ができるのです。この失敗は現実世界では大きなリスクをとることであっても、模擬体験にて失敗することによって、その経験を現実世界で活かすための手立てを考えることができます。この安心感を持ったチームは発言や行動に活気が生まれ新たな挑戦を実行できる強く結束力のあるチームへと成長していきます。

このような特徴を兼ね揃えた「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」が、今後のメンタルヘルス対策において、チームビルディングの充実やメンバーシップの確保と拡大に寄与するとSUDACHIはご提案します。


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