健康経営と人生の課題

最近知人に勧められて、有名な心理学者アルフレッド・アドラーに関する、「嫌われる勇気」という本を読む機会がありました。

リハビリテーションの世界では、学生時代から心理学を学びその中で、心理学の3巨匠、フロイト、ユング、アドラーの心理学について多くを学びます。その学んだ心理学をリハビリテーションの場面で応用し、患者様と向き合いながら社会復帰の道へ向けて一緒に歩むお手伝いをします。
改めて心理学について学ぶと、健康経営やメンタルヘルスと心理学は密接に関わっており、最も基盤になるべき重要な要素であると確認できました。

今回はアドラーの名言から、健康経営と人生の課題について考えてみたいと思います。

 

アドラーとは?

アルフレッド・アドラー(Alfred Adlerは、オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家です。

ジークムント・フロイトおよびカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。

初期の頃のフロイトとの関わりについて誤解があり、アドラーはフロイトの共同研究者であり、1911年にはフロイトのグループとは完全に決別し、個人心理学(アドラー心理学)を創始しました。
*ウィキペディア参照

 

アドラーの名言

アドラーの名言の中に以下のようなものがあります。

人生には3つの課題がある。

1つ目は「仕事の課題」。

2つ目は「交友の課題」。

3つ目は「愛の課題」である。

そして後の方になるほど解決は難しくなる。「愛の課題」とは、異性とのつきあいや夫婦関係のことである。人生で一番困難な課題であるがゆえに、解決できれば深いやすらぎが訪れるだろう。

この言葉は、人生についてよく考えさせられ、人生の意味を改めて見つめ直す機会となります。

一方で、人生の3つの課題のうち、「仕事の課題」は一番簡単な課題であるとも読み取れます。

一方で、「仕事の課題」が上手くいかないと、より難しい課題である「交友の課題」や「愛の課題」の解決は難しいのだとも読み取れます。

そうであるならば、「仕事の課題」の解決せずに、人生の課題は解決しないということです。

実体験でも、仕事での悩みがあると、家庭での雰囲気が暗くなったり、体調が優れないなどの経験をした方は多くいるのではないでしょうか?

交友関係においても、社会に出れば、周りの交友関係は仕事関係の人との繋がりが多くなり、仕事での悩みが直結することがあると思います。

 

また、アドラーのその他の名言に以下のようなものがあります。

幸せの3要素は、

自分自身を好きがどうか。

良い人間関係を持っているかどうか。

そして人や社会に貢献しているかどうか。

この1つ1つをそれぞれの課題に当てはめて考えると課題の答えは意外とシンプルかもしれません。

仕事をしている自分が好きか?もしくは今している仕事が好きか?、仕事での人間関係は良好か?、仕事に誇りを持ち社会に貢献できている仕事か?この3つが揃った時、「仕事の課題」は解決へと向かいます。

 

健康経営と人生の課題

上記の人生の課題は、非常に重要なものが多く、必要なことであると考えます。

そして、それぞれの人生の課題を幸せの3要素に当てはめて考えると、大事なことはコミュニケーションであるのではないでしょうか?

仕事をしている自分を好きになるためには、仕事での良好なコミュニケーションからの良好な人間関係が必要です。どんな仕事も全く1人で行うことはほとんどありません。人間関係には必ずコミュニケーションが必要になります。相手の考えを知り、自分の考えを示し、win-winの関係を築いてこそ仕事は上手く回ります。

上手く回れば自然と仕事に自信を持てるようになり、仕事をしている自分が好きになっていきます。

コミュニケーションが良好な会社は健康経営を実践していると言っても過言ではないのかもしれません。