健康経営とモチベーション

富山は寒い日が続いています。朝の気温は、氷点下が当たり前ですので、朝なかなか布団から起きるのも辛いなと思うことがあります。そんな時にやる気を出して「起きるぞ!」と言ったようなモチベーションが必要だなと感じた朝でもありました。

今回は、健康経営とモチベーションについて触れていきたいと思います。

 

モチベーションとは?

最初にモチベーションの意味から整理をしていきたいと思います。

モチベーションの定義は、「動機付け」という意味になります。 行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能です。別の言葉では「刺激」や「意欲」、「やる気」という言葉に置き換えられることもあります。物事を進める上での意欲となるものという意味全般で使われています。

モチベーションという言葉自体は、特にスポーツ、ビジネス、勉強・訓練、心理学などの場面でよく使われています。「チームのモチベーションが下がっているのでなんとかしたい」、「あの人は仕事のモチベーションが高い」、「なんだか今日はモチベーションが上がらない(やる気が出ない)」などといった形で使われています。また「生きる」など大きく漠然としたものを対象にして使われることもあります。

人間の行動は、このモチベーションに左右されていると言っても過言ではありません。

このモチベーションが、どう健康に影響を与えていくか考えてみたいと思います。

 

外的モチベーションとも内的モチベーション

モチベーションは、大きく「外的モチベーション」と「内的モチベーション」に分けられます。その代表的なものを挙げていきます。

 

外的モチベーション・・義務や賞罰、競争によって生じるもの
金銭的な動機 ⇒ 生活に必要な報酬を、できるだけ多く得ようとすることで生じる

社会的な動機 ⇒ 社会や組織の中で評価を受け、地位や権力を得ようとすることで生じる

 

内的モチベーション・・自分自身の知的好奇心によって生じ、外的モチベーションに影響されないもの
自己実現のための動機 ⇒ 自分を成長させたい、社会的な役割を果たしたいという欲求から生じる

 

外的モチベーションは、外から与えられるので自分ではコントロールしにくいものです。逆に、内的モチベーションは自分自身でコントロールするしかありません。何かを続け、求める結果や成果を出すためには、内的モチベーションは欠かせません。だからこそ、私達は内的モチベーションを鍛えていく必要があります。自分が自分の心に対して、何度も働きかけ続けることによって内的モチベーションを習慣化させ、自主性に変えていくことができるのです。

運動や食生活、禁煙にしても、いかにこの内的モチベーションを保てるかが健康習慣を維持していくポイントにもなります。

 

モチベーションが下がる原因

モチベーションが下がってしまう原因には次のようなものがあります。

①刺激が無い

②睡眠不足、心身の疲労

③報酬が労力に見合わない

④ゴールが見えない、目標が不明確

⑤成果が上がらない、失敗を繰り返す
目の前の事をやり遂げるための十分な能力が備わっていたとしても、モチベーションが下がってしまっては、せっかくの能力が発揮されず、十分な成果は上がりません。メンタルヘルスにも関わる重要な部分であるとも認識できます。

 

健康経営とモチベーションを維持する方法

モチベーションを高い状態に維持するのは、意識せずには難しいものです。やはり、意識して自分のモチベーションをマネージメントする必要があります。そこで、モチベーションを維持する為に有効な方法が次の5つです。

①自分が好きな事、得意な事を理解する

②良い睡眠を取る

③小さな成功体験を積み重ねる

④自分なりの目標を持つ

⑤同じ目標を持つ仲間を作る

それぞれ具体的に見ていくと、

①自分が好きな事、得意な事を理解する

モチベーションを維持するためには、ある程度、刺激的である必要があります。
普段、仕事や勉強をする時に自分の好きな事、得意な事を必ずやるようにします。とはいえ、自分が好きじゃない作業や、単純作業、ルーチンワークなども避けることはできません。そこで、好きな事と嫌いな事をバランスよくやるようにして、どちらかに偏らないようにしましょう。

②良い睡眠を取る

モチベーションを維持するための基本中の基本が良い睡眠をとることです。
睡眠不足の日は何をやってもモチベーションが上がりません。そんな日に仕事や勉強をやっても、良い成果は出ないため、自信も傷つけることになります。
こうなるとモチベーション低下の悪循環に陥るため、毎日十分な睡眠をとるように心がけましょう。

③小さな成功体験を積み重ねる

何かの目標を成し遂げたり、成果を上げることは自信につながります。「自分にはできる」という自信は強いモチベーションを生む源になります。自分に自信をつけるために効果的なのは、目標を成し遂げたり、成果を上げることです。ただし、目標を達成できないと逆に自信を傷つけるため、小さな目標を数多く達成することがコツです。

④自分なりの目標を持つ

人間は自分の夢や目標に向かっている時こそモチベーションが上がるものです。
どこがゴールなのか分からずに何かに取り組んでも、すぐにモチベーションは低下します。
忙しい今の日本社会では、自分が何のために頑張っているのか考えることもせずに、毎日生活しています。忙しい毎日だからこそ、時間を取って「自分は何のために頑張るのか?」をハッキリさせるようにしていきましょう。

⑤同じ目標を持つ仲間を作る

一人で何かを続けるのは孤独です。同じ目標を目指す仲間がいれば楽しくなり、様々な刺激を受けることができます。自分の進捗ペースや理解度を確認する物差しにもなります。
また、コツを聞いたり、有益な情報を交換することもできます。仲間がいれば簡単には諦められなくなり、挫折せずに続けることができます。仲間を作ることで、自分自身にいい意味でのプレッシャーを与えることができます。

 

健康な人生とモチベーション

あるアンケート調査では、回答全体の89.2%もの人が、「個人や組織で目標を達成する為に、モチベーションが必要である」との結果があったとのことで、それほどモチベーションが有用であると実感しているのです。

普段、自分のモチベーションなど意識することはあまりありませんが、実はとても重要な事です。それなのに、私たちは自分のモチベーションを引き出す方法をしっかりと理解していないのかもしれません。自分の人生を豊かにするためにも、心の健康とモチベーションは深く関係していることが分かります。モチベーションは人間を行動させるために必要なもので、自分を成長させ、豊かな人生を送るためにとっても重要なものだと私自身感じています。

健康な人生を送るためには、自分のモチベーションを上手にマネージメントすることが重要です。上記のモチベーションを維持する方法を参考にしていただき、自分のモチベーションを上手にコントロールしていただければと思います。

 

ライター:西野大助

富山医療福祉専門学校理学療法士学科卒業

【理学療法士】

リハビリ専門職である理学療法士国家資格取得後、約10年富山県内の総合病院で急性期医療から回復期医療、在宅医療のリハビリに従事。その後SUDACHIに入社。パーソナル事業部の責任者を務め、主にパーソナルトレーニングや集団でのパフォーマンス指導や姿勢指導、傷病予防などの分野を担当している。また、病院在籍中から現在にかけてスポーツ分野での障害予防などにも積極的に取り組んでいる。

最近結婚し、仕事でも家庭でも頑張ろうと意気込んでいる。