姿勢とパフォーマンスについては、多くの情報が出ています。仕事にも繋がる姿勢の改善に関する研修やセミナーは多数存在します。
今回は健康経営と姿勢について、知識と実践の観点から考えてみたいと思います。
人間の姿勢について
私自身も毎日、姿勢については意識するようにしていますが。昔から母親に「姿勢が悪い」「猫背」だと良く指摘を受けていました。ついつい、気を抜いてしまったり、何かに集中しすぎていると前かがみになってしまいます。良い姿勢を保ちつづけるというのは大変難しいことです。
私たち人類は、進化の過程で重力に逆らうことで骨や筋肉が鍛えられ二足歩行に適した身体に進化してきました。そして、人体に負担の大きい決断をしました。
私たちは重力に対して身体全身でバランスを取り、地面に対して垂直な軸で中心を取ろうとします。そうすることで、身体も余計な負担がない軸がしっかりした姿勢が保てます。しかし、生活習慣や運動不足などで筋力が弱くなれば、重力に対して垂直にバランスを取れず、必要以上に身体に負担をかけていきます。
健康への影響について
姿勢が悪いと、健康にもさまざまな悪影響が生じます。
悪い姿勢をとっていることは、一部の筋肉だけが身体を支えて、緊張したままで姿勢を維持している状態になります。つまり、一部に対して特に負荷をかけることになります。
そのせいで身体のあちこちにコリや痛みが発生する原因となります。身体にコリや痛みがあると、筋肉は緊張したままの状態が続くので、ベッドに入っても寝付くことができず、熟睡できなかったり、不眠症を引き起こすなど、睡眠障害を招く原因にもなります。
以前の記事、「健康経営とデータから見る疲労と睡眠」でも触れましたが、睡眠の質が悪いと疲労もたまってしまいます。
また悪い姿勢は、精神的な面でも悪影響を及ぼしていきます。不眠症は精神的なストレスに繋がります。
自律神経失調症やうつ病などの精神的な疾患を抱える人は、傾向として浅い呼吸にもなっていきます。浅い呼吸により、脳内神経伝達物質の活動を抑制し、精神的な不安につながります。
さらに姿勢が悪いことで、うつむきがちになることも、後ろ向きなイメージを自身へと植えつけ、うつ病などの原因になるといわれています。胃腸などの不調による身体への不安も精神的な疲労を生みます。
このように悪い姿勢により、身体的にも精神的にもさまざまな悪影響が生じます。それは仕事にも繋がります。身体的な悪影響により作業効率が低下し、精神的な悪影響によりやる気がそがれ作業効率が低下する。さらには、姿勢が悪いと相手への印象が悪くなります。下を向いて、会社のプランを発表している人の話を聞きたいと思う人はどれだけいるでしょうか?
健康チェックと良い姿勢とは
皆さんは姿勢についてどのくらい意識しているでしょうか?よく背中をまっすぐにするといった形で姿勢を整えている方が多いと思います。今回姿勢を簡単にチェックする方法をご紹介します。
まず、壁に背中をつけて立ちます。できれば、鏡の前で試すと自分の身体を見ながらチェックすることができます。
アゴを軽く引き、胸を開いて立ちます。両肩が壁につかない場合は猫背になっています。そしてお臍の部分に軽く力を入れ、お尻と太ももを内側に引き締めるような感じで立ちます。これが理想の姿勢です。悪い姿勢が習慣になっている方はかなり大変なのではないでしょうか?
今は、正面から見た話しをしましたが、全体的な姿勢のチェック方として、側面からのチェックも重要です。チェックポイントは5か所です
①耳の穴
②肩の中心
③お尻の横の部分で、出っ張っている所(大転子)
④膝
⑤くるぶし
この5か所を指標に線を結びます。これが立った時に垂直に引かれていれば理想的な姿勢となります。
普段から、自分でチェックし意識していくことが大事です。残念なことに、人間は意識しなければ忘れてしまいます。良い姿勢を心がけていても、ほかのことを考えているとまた猫背に戻ってしまうのです。この問題を解決するためには、普段から何度も意識し直すしか方法はありません。
この何度も意識し直す手助けとなるのが、弊社の「健康チェックカード~心技体~」です。
人はなかなか自分一人では意識を継続することができません。健康状態を数値化し、ゲームで盛り上がり、一体感と互いへの気づかいを得ることで、仲間がチェックしてくれる仕組みを作ることができます。また、健康状態への改善策を得られ、定期的にチェックすることで、改善したときの達成感を得られ継続出来る仕組みへとさらに効果が高まります。
日常生活や習慣でできてしまった悪い姿勢を改善するためには、日々意識して、姿勢をチェックすることがとても重要です。
良い姿勢を保つためにも、正しい姿勢を理解して意識的に改善するところから始めてみてはいかがでしょうか。
良い姿勢を意識することで、健康的な生活をおくることができるようになり、仕事の効率改善や見た目の印象が良くなります。
良い姿勢作りを通して、健康経営を進めていくことが可能であるとSUDACHIは考えます。
ライター:西野大助
富山医療福祉専門学校理学療法士学科卒業
【理学療法士】
リハビリ専門職である理学療法士国家資格取得後、約10年富山県内の総合病院で急性期医療から回復期医療、在宅医療のリハビリに従事。その後SUDACHIに入社。パーソナル事業部の責任者を務め、主にパーソナルトレーニングや集団でのパフォーマンス指導や姿勢指導、傷病予防などの分野を担当している。また、病院在籍中から現在にかけてスポーツ分野での障害予防などにも積極的に取り組んでいる。
最近結婚し、仕事でも家庭でも頑張ろうと意気込んでいる。