健康経営と問題・解決志向アプローチ

以前に、ある勉強会にて目標や問題点に対してのアプローチ手法の研修を行っている会に参加しました。以前の記事、健康経営とモチベーションでも述べた通り、人間の行動はモチベーションに左右されます。モチベーションにも関わるアプローチとして問題解決志向アプローチ、解決志向アプローチが有効であると認識したことと、どこか弊社の「ビジネスゲーム:健康チェックカード~心技体~」や「ビジネスゲーム:健康経営ゲーム」の考え方と似ている部分があったので、今回は、健康経営と問題・解決志向アプローチと関連付けて考えてみたいと思います。

 

問題志向アプローチ

問題志向アプローチとは、多くの組織で取り組まれてきたアプローチで、「なぜ問題が起きるのか?」「なぜ問題が起きてしまったのか?」「どうればミスが少なくなるのか?」というように、まずは原因を究明し、そこから解決策を導くといった手法です。

例えば、

なぜ高血圧になったのか? → 塩分の取りすぎだ → 塩分を控える食事をしよう

といった流れになります。

この問題志向アプローチは、日本企業の業務改善活動でも多く使われています。ハインリッヒの法則に代表されるヒヤリハットレポートからの業務改善は、まさにこの問題志向アプローチといえます。完璧を目指す人が多い日本人にとってはとても行いやすい方法でありますが、問題点もあります。

本来、手段であるはずの原因究明に執着してしまい、問題を見つけることに目的が変わってしまうことです。リハビリテーションの分野でも、学生が臨床実習中に起こしやすいこととして、動作分析などで問題点を挙げることが目的になってしまい、本来の目的である社会復帰への解決策が置き去りになってしまうといったことがあります。

 

解決思考アプローチ

一方で、「こうなりたい」「このような形にしたい」などといった理想像を掲げて、その実現に向けて取り組む手法を解決志向アプローチと言います。

例えば、

健康な体を手に入れたい → 血圧を今より10下げる → 塩分を控える食事にしよう

といった流れになります。

この解決志向アプローチで皆さんが思い浮かぶのは、ダイエットではないかと思います。痩せたいといった理想像を掲げ実践していく。理想像を掲げる=夢に向かって行動するので、取り組み初期としては大変モチベーションが高まります。しかし、この解決志向アプローチにも欠点があります。

そう、モチベーションが継続しにくいのです。目標を立てたはいいが、途中で行動が継続できず、三日坊主になってしまうという悪循環に陥りやすいといった短所があります。さらには、行動が継続できないと、自信が形成されず、落ち込みやすいといった経験となるといった原因にも繋がりやすくなります。

 

チェックする仕組み

この両アプローチにはそれぞれメリットとデメリットが存在します。メリットとデメリットを補う事が出来れば、それぞれのアプローチは互いに絶妙のバランスを持つことになります。

例えば解決思考アプローチでは、「理想があるが原因が分からない」という問題に対し、問題思考アプローチを併用することによって原因を把握することができます。それぞれのメリットを活かすことによってデメリットを補う事が出来るのです。

ただし、それでも両アプローチにおける重大な要素が残されています。

それは「継続する」ということです。

以前の記事「習慣と健康、慣習と健康経営」でも述べましたが、例えば健康を維持する時は、継続出来る良い習慣を身に付ける必要があると考えます。これは、何か目標を持つときにも大切な要素です。有名な話では、オリンピックや世界で活躍するスポーツ選手の多くはトイレや寝室などのいつも目に入るところに目標を書いた紙を貼ったりして目標を忘れないための習慣をつけていたり、日々の練習は整理清潔からということで、毎日トイレ掃除を実践していることなどがあります。

これは、まさに「継続する」ことの大切さを知り、実践している良い例です。ですが、人は習慣付けるということに関してなかなか困難であると考えてしまうものです。

そのために必要なことが、「チェックする仕組み」を作るということです。

理想や出た問題に対し、定期的にチェックすることで今現在の状態を知ることができます。今現在の問題が把握できるからこそ、課題が見つかり課題解決のためにプランが成り立ちます。最初立てた目標に対し(解決志向アプローチ)、課題を把握し(問題志向アプローチ)、チェックする仕組みを構築して、この3つをグルグルと循環させることが大切なのです。

 

健康をチェックする仕組み

健康をチェックする仕組みは色々あります。最も有名で重要な「健康診断」、血圧や脈拍をウェアルブ端末やIOTを使って「管理する製品」、日々の生活の活動量をスマートフォンを使って「把握するアプリ」等、様々なソリューションがあります。

弊社の「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」もその1つです。

「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」では、50枚からなるカード化された設問に答えることで、参加者一人一人の健康状態を数字にして測定することができます。単純な口頭で質問に答えるだけのチェックではなく、自分の身体を動かして、その反応を確認して点数を付けるので、通常の健康チェックとは異なった退屈させない作りになっています。指定されたポーズを取ることは簡単で身体への負荷もありませんが、「指示と違う動きになってしまう」「思うように身体が動かない」という意外な経験をすることで、知らず知らずのうちに自分の身体が不健康になっていたことに気づくのです。

この「気づき」を簡単に得られることに、大きな意味があります。通常の健康診断などでは数字だけで中々実感が得られにくいのですが、実際にできる人とできない人に別れるのだと目の当たりにすることで、自分の健康に関心が向きます。そして設問ごとに記されている健康増進のための改善策を、強烈に意識させられるのです。

そして、「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」の最大の強みが、他の健康をチェックする商品には無い、ビジネスゲームの要素を含むことによって得られる「楽しさ」です。「楽しさ」があることによって、2回、3回とチェックする場を経験しても、「慣れる」といったことがおきません。それは、チェックする期間に様々な日常生活での経験やチェックで得た改善策を実施することで、その行動が点数にそのまま現れるからです。点数で見える化することでモチベーションを保ちやすいのです。

実際に、初回と2回目を取り組まれた方の感想としては、「前回よりスコアが良くなっていた。やはり、こうやって客観的にスコアを比較できるのは良いと感じた。」「前回同様、盛り上がったのは面白かった。周りと比較することでモチベーションが上がり、次はどこを改善しようかと考えるようになって面白い。」といったチェック仕組みであるにもかかわらず、「楽しさ」があるのです。

 

我慢や節制といったイメージのある健康を、解決志向と問題志向アプローチから考え、楽しくチェックする仕組みを、「ビジネスゲーム:健康チェックカード〜心技体〜」を通して、提供し、楽しく健康経営に取り組めるように、SUDACHIは行動し続けます。