健康経営を考えるにあたり、自社が健康経営に取り組んでいるのか?はたして健康経営がしっかりと実践できているのか?といった客観的な指標が求められます。
今回は、経済産業省が取り組んでいる、健康経営銘柄の「評価のための5つのフレームワークと具体的な評価指標例」のうち組織体制について、弊社の見解と一緒に考えていきたいと思います。
健康経営の組織体制
健康経営のために必要な組織体制として、
• 従業員の健康保持・増進の推進を統括する組織の形態
• 専門人材(産業医、保健師、看護師など)の活用
• 「従業員の健康保持・増進」の推進に対する企業経営層の関与
が健康経営銘柄の評価に位置付けられています。
これらは、前回の記事でも紹介した、CHO(健康管理責任者)を中心としたCHO室設置の取り組みが実例として挙げられます。
経済産業省が公開している「健康経営銘柄2017レポート」によると、
株式会社ローソン様では、CHOを中心に、統括産業医と健康保険組合理事長がCHO補佐となる事業主と健保の連携体制をとり、さらに人事本部内に専任部署を設置しています。
テルモ株式会社様では、経営トップを社員の健康保持・増進の責任者とし、人事部・各事業所総務・営業管理、衛生管理室(産業医・看護師)、テルモ健康保険組合が連携して活動を推進していると紹介されています。
経営トップがCHOとして社員の健康を守ると宣言し、組織を作っています。さらに、産業医や健康保険組合との連携において、医学的な専門職との連携を図っているといった共通点があります。弊社の医療分野や介護保険分野での経験を照らし合わせると、チームを作りそれぞれの専門家が適切にその知識と技術を実施することによって、患者様のケアが充実することに似ていると感じます。
経営層と管理者こそ健康経営を
今一度健康経営の定義は、健康経営研究会によると、
「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」
とされています。
経営者や管理者の役割の一つは会社経営を円滑に実施し、企業の利益を高めることです。そして、経営的視点は経営層と管理者によって社員に伝わることとなります。ですから、企業経営層が健康経営に取り組んでこそ、企業全体に広がることになります。
また、経営層や管理者が健康を害し、十分な能力を発揮できない状態となってしまってはそれこそ企業にとって大きな痛手となります。企業において先ず最初に自身の健康に取り組むべきなのは経営層と管理者なのです。
さらに、管理者が健康であれば、部下の健康管理に目を向けることができます。想像してみてください。食生活が乱れ、明らかに運動不足、そんな上司に健康について管理や助言をされ、実行できるでしょうか?よく「学ぶは真似る」と言われますが、上司が健康的であれば真似ることによって健康を学ぶにも説得力があります。
経営層や管理者が健康経営に関与するメリットは
・企業における健康コストの軽減=健康マネジメント
・率先して行動することによって社員の健康に対するモチベーションに寄与する
この2点であると弊社は考えます。