最近、健康やダイエットに関して食事の食べる順番がテレビをはじめとするメディアで取り上げられ話題になっています。
今回は、健康経営と食生活に関して考えてみたいと思います。
食べる順番の意味
野菜から食べるという「食べる順番療法」。
食べたいものを我慢するのはつらいことです。極端な食事制限をしてダイエットに成功したとしても、ストレスを溜めてリバウンドしては元も子もありません。そこで、いつものメニューでも、食べる順番で痩せるというダイエット法が「食べる順番療法」です。
これは、主に血糖コントロールについての食事療法ですが、科学的根拠も最近の研究で明らかになっています。
*参考:2015年12月24日,欧州糖尿病学会機関誌『Diabetologia』(電子版)
食事の「食べる順番」を考慮し、米飯や炭水化物の前に肉や魚などのタンパク質を摂ると、胃の運動が緩やかになり、食後の血糖値の急上昇を改善できることがわかったとのこと。同じ食事内容であっても、食べる順番を意識し実践することで、糖尿病や心血管疾患の予防などにつながる可能性が示されたわけです。
これに加えて、今までの研究結果で明らかになっている、米飯などの炭水化物よりも野菜を先に食べると、野菜に含まれる食物繊維が小腸からの糖や脂質の吸収を抑え、それによって食後の血糖値上昇が抑制されることを合わせて考慮すると、野菜→タンパク質→糖質(炭水化物)の順に食事を摂取すると、食後の血糖値上昇をより効率的に抑えられる可能性があるということになります。
血糖コントロールと仕事の効率
食後眠くなることを経験したことがある人は多いのではないでしょうか?
なぜ食後に眠くなるのか?
これは血糖値が上がると、睡眠や覚醒を制御する脳内物質「オレキシン」をつくる神経細胞の活動がすぐに反応して、オレキシンの分必量が減るためと言われています。
食後に眠くならないようにするには、血糖値の上昇を緩やかにする必要があります。GoogleやP&Gなどは、健康経営の一環として、この血糖値の上昇に注目しコントロールすることで仕事効率を高めようと取り組みを実践しています。
これは個人の節制や我慢といった行動に頼るものではありますが、上記のような「食べる順番療法」の知識を知ることで、「食べたらだめ」といったような我慢が減り、実践しやすくなります。
弊社の実体験でも、健康に関する知識や技術を知らない方は多いです。
ソクラテスが罪としたものの1つに(諸説ありますが)、「真の悪とは、無知であることである」という言葉があります。この言葉を健康や健康経営と結びつけると、知らないということがどれだけ体や組織の健康に対し悪影響を与えるか、知らないといつの間にか不健康になってしまう。と言い換えることができます。
話は少し変わりますが、以前テレビで事業承継について、創業者がその知識や方法を知らないことで会社が廃業に追い込まれたという特集をやっていました。知らないということはやはり罪なのかもしれません。
上記のような、血糖に関する知識を社員に周知させることだけでも健康経営はスタートできるとSUDACHIは考えます。