先日、東京へ出張へ行った際に、知人と待ち合わせをしました。
待ち合わせ場所に向かう途中に知人から連絡があり、「待ち合わせ場所を変更して欲しい、足が痛くて歩けなくて・・・」と中々鬼気迫る形の連絡でした。
知人はフットワークが軽く、行動力のある営業マンとしてバリバリ働いているので、少し心配になりながらも待ち合わせ場所変更に応じ、詳細を聞きました。
今回は、知人との会話から足の痛みや足について、健康と健康経営と照らし合わせて考えてみたいと思います。
足について
詳細を述べる前に、足について簡単に紹介したいと思います。
足と脚は基本的には違います。
足は内果・外果(内くるぶし・外くるぶし)よりも先の部分で、いわゆる靴を履く部分のことになります。
足は趾骨(指の骨・基節骨・中節骨・末節骨)が14本、中足骨が5本、足根骨が7個、これに種子骨2個を加えて片足28個・両足で56個の骨で構成されています。
身体全体に約208個の骨があるといわれていますが、足だけで4分の1を占めています。
そんな足ですが、もっとも重要な役割は歩行時の支えです。
歩行は、足底で常に床を押しながら行っています。ニュートンの第3法則(作用・反作用の法則)に基づいて、足底が床を押している力と同等に、床も足底を押しています。これが『床反力』です。
米国足病医協会の調べでは、ゆっくり歩くときに足にかかる重さは、体重の1.2倍になるそうです。60kgの人で一歩ごとに72kgの重さが足にかかります。
その負担を軽減しているのが、筋や健などの軟部組織、足のアーチ構造つまり土踏まずなどです。
知人の足の痛み
それでは知人の痛みについて少し詳細を聞いてみた状況をご紹介したいと思います。
いつから痛いのか?
→2日前に出張から帰ってきてからとのこと。
足のどこが痛いのか?
→知人の足の痛みは、中指と薬指の間にかけて痛みを感じ、特に革靴を履いて歩くと激痛を伴うとのこと。
この症状を聞いて真っ先に思い当たる病名が1つ思い浮かびましたが、色々と詳細を聞いていきます。
裸足で歩く時は痛いか?
→裸足で歩いても痛くない。靴を履いて歩くと痛く、特に革靴を履くと痛いとのこと。
これでほとんど思い当たる病名に確信を持ちましたが、もう少し詳しく聞いていきます。
腫れているか?
→足の甲が、反対側と比べると少し腫れているとのこと。
思い当たる節は?
→特にないが、出張時にかなり歩いたとのこと。
痛い部位を叩いたり、押したりしていたいか?
→叩いたり、押したりしても痛くはないとのこと。
扁平足か?
→扁平足だとのこと。
以上を聞いて(問診)、思い当たる病名は「モートン病」でした。
モートン病は、主に足の中指とくすり指の間に痛みを感じます。人差し指と中指の間にも痛みを感じる場合があり、また、どの指の間にも痛みを感じる場合もあります。
原因ははっきりわかっていないとの報告もありますが、いくつかの原因として、
①合っていない靴の着用(ハイヒールや窮屈なシューズを着用している場合、前足部や足指を圧迫してしまいます。その結果、中足骨の幅が狭まり、滑液包と呼ばれるクッションが刺激され、炎症を起こして指神経を圧迫します。また、神経腫を圧迫して痛みが生じる場合もあります。)
②足部のアーチ構造の異常(モートン病を患う方には、外反母趾、扁平足、開張足の傾向があるとされています。)
などが挙げられています。
知人も、革靴(窮屈な靴)を履くと痛い、そして扁平足であることからモートン病ではないかと考えました。もちろん、医師ではないので診断はできませんが、革靴ではなく、前足部にゆとりのある靴を履くこと、インソールを用いて扁平足への対処をした方が良いとのアドバイス、そしてそもそも診断をいてもらうために医療機関への受診を勧めました。
結果、靴を変えただけで、知人の痛みはかなり改善され、待ち合わせから約3時間後の営業先への訪問にも、無事に行くことができました(*完治というわけではないので、今後も対応策は必要ですし、医療機関への受診は必要です)。
健康経営と痛み
痛みは人間にとっては非常に苦痛である感覚です。痛みがあると行動に制限がかかり、精神的にも落ち込んでしまいます。
知人は、今回の痛みに対して対応できたので良かったですが、対応できずにいると大事な営業先への訪問も不可能だったかもしれません。そうなると、他の営業担当への負担がかかったり、営業先との関係を保てなくなる恐れがあります。また、歩行という最も基本的な移動手段を制限されることで、生産性のかなりの部分に影響をもたらします。
痛みで動けないといった状態になる前から、予防という考えを持って対策を打つことが必要であり、これは健康経営の考え方にもつながります。
弊社の「健康チェックカード~心技体~」でも、チェックの1つに靴の中に入れるインソールの使用について取り上げています。インソールには足のアーチ構造を保つ役割があるため、痛みを未然に防ぐ目的だけでなく、歩行時の疲労を抑えてくれるといった役割もあります。
このような知識について気づき、学ぶことで健康に対する意識が変わり、健康投資といった観点から健康経営は進んで行くとSUDACHIは考えます。